続々・包丁がほしーの

 正解が分かんなくなっちゃった。というお話

包丁についてブログを書きながら頭の中を整理している感じなんですけど、もう自分にとっての答えが分からなくなってきたってのが正直なところです。

ネットの情報に転がされてるって感じがしてきて、一旦精査してまた調べる。を繰り返しているうちに。更にわからなくなって。



シンプルにココの包丁が最高峰!ってのがあればわかりやすいんだけど。


ステンレス包丁に関しては、「鋼材に何を使っているのか」をボヤかしているメーカーが多いんですよ。前にも触れたけど、鋼材だけで包丁の良し悪しが決まるわけじゃないんだけれども、使用している鋼材は包丁の比較材料として欠かせないものだと思っています。
鋼包丁で有名なメーカーでも、スウェーデン鋼とか特殊ステンレス鋼とか具体的に書いてないんです。
鋼材を加工する技術に関して企業秘密があるのは理解しているけど、せめて何を使っているのかくらい公表してほしい。
鋼包丁はほとんどのメーカーが鋼材を公表しているのに、ステンレス包丁はなぜ公表しないのか。謎すぎるぜ。

んで

現段階では牛刀と筋引きを買おうというところまで決めました。

牛刀は210㎜ ステンレス製 【高村のBLAZEN】か【酔心のPremium INOX】を候補にしています。
BLAZENは鋼材にSPG2を使っていて、切っ先にかけて徐々に薄くなていく『テーパー』になっているのがポイント。
酔心のPremium INOXは鋼材の詳細は不明だけど、硬度が表記されているし、ブログを読んでみると何となくVG10相当なのかな~と。刃の抜けに気を使っているようなので使いやすそうと思いました。研ぎやすさでいえば酔心。ブランド力でいえば高村といたところか。。。

筋引きは270mm 鋼製 【堺孝行の青二鋼】か【子の日で青二鋼で特注オーダー】を候補にしています。
両方とも青二鋼という鋼材を使っています。堺孝行の評判は上々なんですが、まれに価格に見合っていないレベルの刃付けがあるという記事を目にしました。
子の日は最近知ったお店なんだけど、神奈川に本社を築地に店舗を構えています。凄腕の鍛治師と研ぎ師が作る包丁なんだとか。
値段を気にしなければ子の日。堺孝行は青二鋼としては31900円と手が出せる価格なのが魅力的。




ここでふと思ったんだけど、包丁の世界ってわかりにくですよね。
高村のように製造から研ぎまで行うブランドもあれば、子の日みたいに製造は○○氏で研ぎは△△氏みたいなブランドもあるわけで。

堺孝行は【青木刃物製作所】が展開するのブランド名です。【青木刃物製作所】にはグランドシェフというブランドも展開していて、Grand Chef TAKAYUKI と孝行の銘が。
もう。よくわかんねぇな。。。青木刃物に努めている堺孝行という人が立ち上げたブランドなら理解できるんだけど。その辺は謎。



恐らく包丁の製作には大きく分けて3つの分類があるのではないかと思っています。
①:メーカー主体
②:刃物屋主体
③:鍛冶師・研ぎ師が主体

例えば、
①でいうと、高村や酔心がそれに該当するかと思います。自社製品のみ
②は子の日や木屋がそれ。他社製品と自社企画製品の販売
③は佐治武士がそれ。伝統工芸士には明るくないので一人しか挙げられず申し訳ないっす。刃物屋に卸してるイメージ。

せっかく色々調べたので情報をまとめます

自分で調べた情報なので、全て正確な情報ではないと思いますが、せっかく色々調べたので情報をまとめていきます。

  • 包丁の種類
  • 刃の作り
  • 硬度
  • 鋼材

包丁の種類

一般的な包丁の種類には和包丁と洋包丁があります。

和包丁は片刃。洋包丁は両刃が基本です。

さらに使用している鋼材が鋼とステンレスに分けられます。(セラミックやチタンに関しては取り上げません!)

鋼材とは、包丁の刃の部分に使用する金属です。
鋼は良く切れるがサビ安い。
ステンレスはサビに強いが鋼と比べると切れ味が劣る。
というのが一般的な認識だと思います。

刃の作り

包丁の刃は一つの鋼材から作った「全鋼」と、
メインの鋼材を別の鋼材で挟む「合わせ」があります。
合わせも<割り込み>と<3枚合わせ>がありますが、この辺はマニアックなので割愛します。

全鋼のメリット:1つの鋼材なので刃の厚みがでない。切れ味が長い。日本刀と同じ製法。
合わせのメリット:加工がしやすいのでコストダウンできる。刃こぼれしにくい。修正しやすい

厚みがない刃は、食材への食い込みが良くなるのでスッと切れます。
人参や大根を切ったときに、切れるというより割れてしまったことありませんか?それは切れ味というより刃が厚いことが原因かも。

和包丁の世界では「全鋼」を「本焼き」、「合わせ」を「霞」と呼んだりします。

硬度

硬度と言うのは刃の硬さです。金属には硬さを示すHRC(ロックウェル硬度、エイチアールシー)という単位があります。このHRCが高いほど硬いということになります。包丁での限界硬度はHRC67?68と言われていてそれ以上だと刃が欠けたり折れやすくなってしまうそうな。
硬度が高いメリットとして、刃が鋭くなる。刃持ちが良くなる(長切れする)ことが挙げられます。

各種包丁のHRCは以下のイメージ。
・安い包丁はHRC53~56
・一般的な包丁は57~59
・本職向けHRC60以上

プロは大量に仕込みをするため、鋭い切れ味が長く続く必要があるので高硬度の包丁を使うわけです。逆にめったに自炊しない人は硬度が低い分切れ味が長く続きしない安い包丁でもいいんです。 


鋼材

〇鋼
日本の鋼は日立金属(現:プロテリアル)が生産する安来鋼が使われています。(たしか)
包丁で使用されるのは4種類
  • 黄紙
  • 白紙
  • 青紙
  • 青紙スーパー
SK材と呼ばれる炭素鋼から不純物を取り除いたのが黄紙
黄紙よりもさらに不純物を取り除いたのもが白紙
白紙に他の金属を加えたのが青紙
青紙に他の金属を加えさらに硬くしたのが青紙スーパー

  • 黄紙
すんません。黄紙は検討外なので詳しく調べていません

  • 白紙
基本となるの白紙2号(白二鋼)
上位の白紙1号(白一鋼)、廉価な白紙3号(白三鋼)

白紙3号<白紙2号<白紙1号
 ←←炭素の含有量→→

これらの違いは炭素のの割合です。炭素が多い方が硬く良く切れると言われています。その反面欠けやすく硬いので研ぎにくいと言われています。

  • 青紙
白紙の上位に位置するのが青紙。白紙にタングステンやクロームを添加した白紙のアッパー合金鋼
ベースの青紙2号(青二鋼)
上位の青紙1号(青一鋼)

青紙2号<青紙1号
白紙と同じく炭素の割合が多いのが1号

  • 青紙スーパー
青紙のさらにその上を行くのが青紙スーパー。青紙1号にさらにタングステン、クローム、炭素を増量した合金鋼。

詳しい位置づけは公式サイトで確認できます。


マニアックな話では青紙1号2号にはもっと細かい「a」と「b」という区分があるみたいです。
この辺は酔心さんのブログをチェックしてみてください。


僕が板前時代に買った和包丁は白紙2号の霞です。正直白紙2号でも十分すぎるくらい切れます。

〇ステンレス
ステンレスは国内だと日立金属(現:プロテリアル)や武生特殊鋼材が有名です。
包丁に使われるステンレスとは鋼にクロームを13%~16%、炭素を0.6%~1.0%加えた合金を指します。
この添加する素材の配合の違いが各社ごとにあり、海外も合わせると単純に比較できないんです。

大豆味噌に例えるとわかりやすいかな?
原料は大豆だけど、塩や糀の配合で仕上がりが違うでしょ?ステンレスもそれと似たようなもんなんですわ。知らんけど。

包丁で使用されているステンレスをザっと挙げてみました。

  • AUS6M
  • モリブデン鋼/モリブデンバナジウム鋼
  • V金シリーズ/コバルト合金鋼
  • 粉末ハイス鋼/SPG2、ZDP189
  • スウェーデン鋼
  • 銀紙シリーズ

うわ。種類多いな。一つ一つ解説するのは大変なのでざっくりと。


  • AUS6M
「材料:ステンレス」と表記されているのは大体これだと思う。

  • モリブデン鋼
料理好き向け包丁に良く使われている。材料にモリブデン鋼とかモリブデンバナジウム鋼って書いてある。研ぎやすいが長切れはしない。切れ味は本職用に劣る。僕のペティはモリブデン鋼。使用感で言うと、切れ味は悪くないけど、1日使ったら研ぐ必要があるかな。
  • V金10号/コバルト合金鋼
VG10とも表記される。武生特殊鋼材が製造しています。藤次郎ではコバルト合金鋼を表している。高級包丁や本職用に使用され、切れ味は良く長切れする。研ぐ技術が求められる気がする。
ハイエンド向けが欲しい場合はV金10号がいいかも。

  • 粉末ハイス鋼/SPG2・ZDP189
ハイス鋼とはハイスピード鋼の略で、ハイスピード鋼とは高速切削工具に使用される合金です。切削工具っていうとわかりづらいかもだけど、ざっくり金属を削る工具と認識してもらえればいいかなと。SPG2は武生特殊金属の鋼材。ZDP189は日立金属の鋼材。
金属を削る鋼材だから包丁用に加工するのが難しいんですよ。他のステンレスと同じ手法じゃ加工できないので、粉末にして加工したのが粉末ハイス鋼。または粉末冶金鋼ともいいます。とにかく硬い。その分切れる。でもめっちゃ研ぎにくい。っていうピーキーな包丁が出来上がります。家庭使いなら一生に数回研ぐ程度でいい。と言われるくらい長切れするものもあるみたい。

  • スウェーデン鋼
スウェーデンで作られるステンレス鋼材(Sweden-Steel)の総称です。日本では良質な鋼材というイメージで紹介されていますが、その種類は1000種類以上あると言われています。日本の包丁メーカーは具体的な鋼材を明かさず、スウェーデン鋼やスウェーデン特殊鋼と表記することが多いです。

  • 銀紙シリーズ
日立金属(現:プロテリアル)が製造しているステンレス鋼です。
何となく和包丁のステンレスシリーズに使用されているイメージ。特に銀紙3号は鋼にも劣らない切れ味があり、刃持ちも良く研ぎやすいと言われていて評価がいいと言われています。他の鋼材に比べると炭素が多いので若干サビに弱いとの声も。




上記のこれらは一般論であり、鍛冶師はその技術で硬度を調整したり粘りを出したりして包丁毎に特長を出しています。同じ鋼材でも「切れ味と硬度にこだわった包丁」や「メンテナンス性も考慮しバランスを重視した」包丁など、作り手の理念によって出来上がるモノが異なります。もちろん刃研師による刃付けも然りです。

まぁ。こんな感じで。
さらにここから、日本の包丁三大産地とか老舗メーカーと伝統工芸士とか色々絡んでくるんで。突き詰めるとキリがないです。

結局のところ、高級鋼材を使い伝統工芸士の鍛冶師や研ぎ師が作ったとしても、いつかは切れ味が鈍くなるので。その最高の切れ味をどうやって維持するのか。
自分で研ぐのか。
都度プロにお願いするのか。
そういった先のことも考えて包丁選びをしたいですね。
一万以上する包丁の大半は家庭料理の範疇で使用すれば一生ものですから。

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